CROSS TALK

座談会

私たちのチーム

参加者

吉原 朋成

弁護士49期

プロフィール詳細は
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青木 晋治

弁護士61期

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前田 拓実

弁護士74期

プロフィール詳細は
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中村 繭美

パラリーガル2014年入所

M

秘書2010年入所

私たちのチーム

吉原

皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。この座談会では、パラリーガルの中村さん、秘書のMさんにも参加いただき、当事務所において、弁護士とスタッフがどのような関わり合いをもって働いているかということをテーマにお話を伺おうと思います。まず、弁護士側の目線でお聞きしてみたいのですが、弁護士にとってパラリーガルとはどのような存在でしょうか。

青木

当事務所には、パラリーガルとして、中村さんのほかにも、もう1名パラリーガルの方が在籍しています。パラリーガルの方にお願いする業務としては、書類作成、文献のリサーチ、資料収集・分析などがあり、その業務範囲は多岐に亘ります。当事務所は、上場企業を始めとした、数多くの企業の法律顧問としてアドバイスを提供しているという点に特徴があり、そのためパラリーガルの方にも必然的に幅広い業務分野に関与いただくことになりますが、2名は司法書士や行政書士の有資格者でもあり、高いレベルで、弁護士業務のサポートをいただいています。当事務所の弁護士にとって、業務を遂行するにあたって欠かせない存在となっています。


吉原

そうですね。商業登記の手続などについては弁護士よりも精通していますし、何より法律家としての目線をもって弁護士業務のサポートをしていただけるので、非常に助かっていますね。それでは秘書の方についてはいかがでしょうか。

前田

秘書の方には、スケジュール管理や電話対応等のいわゆる秘書業務に加えて、準備書面等の作成補助・提出などの法律事務についてもお願いをしており、日々弁護士を支えていただいています。秘書の方には数名の弁護士を主担当としてご担当いただいていますが、近年、秘書グループ制度を導入していて、本日ご参加いただいているMさんなどがそうですが、グループリーダーの秘書さんを中心に、グループ単位で弁護士をサポートする環境となっており、例えば主担当の秘書さんが休暇を取得していたとしても、変わらず弁護士をサポートできる体制がとられています。細やかな調整や管理を行っていただく秘書さんがいないと、仕事が円滑に回っていきません。我々、弁護士にとって、秘書さんはクライアントに正確かつ迅速にリーガルサービスを提供するにあたって欠かせない存在となっています。

吉原

ありがとうございます。それではパラリーガルや秘書の方から見て、弁護士とはどのような存在でしょうか。まずはパラリーガルの中村さん、いかがでしょうか。

中村

少しオーバーに思われるかもしれませんが、私にとって弁護士は真っ暗な海を照らす灯台の光のような存在です。自分では真っ暗な夜でも星の灯りを見てそれなりに正しく船を操作し、正しい方向に向かって確信をもって進んでいるつもりで業務をしているのですが、いざ弁護士に起案したドラフトを見てもらうと、私が全く思いもつかなかった視点から指摘されることがあります。先生方の頭ってスーパーコンピューターですか?と思わず問いたくなる場面がよくあります。本当に頼りになる灯台の光のような存在です。

吉原

過分なお褒めのお言葉をいただき恐縮です。それではMさん、秘書の方から見た弁護士はどのような存在でしょうか。

日々の弁護士の業務をサポートすることが秘書業務の中心になりますが、業務のサポートを通じて、弁護士は、常にクライアントのことを最優先に考えており、クライアントにとって何が最適なアドバイスかということを意識していることを日々感じています。仕事に全力を傾け、クライアントのために、尽力する姿勢は尊敬しています。


吉原

日々の業務を行うにあたり、弁護士、スタッフがお互いに心がけていることはどのようなことでしょうか。まずは、弁護士はどうでしょうか。

青木

パラリーガルや秘書の方は弁護士業務をサポートしていただける役割ではありますが、それぞれが同じ案件を担当するチームとして、リスペクトの心をもって接するようにしています。言葉遣いを丁寧にするのはもちろんですが、指示が抽象的にならないようにするなど仕事がしやすい環境になるよう、あとは、プライベートのことでもいいのですが、何気ない会話をすることでもコミュニケーションが円滑になるように思っていますので、そういう点も大事にしています。

中村

弁護士は、同時並行的に多数の案件を処理しており、クライアントから迅速かつ正確なアドバイスを求められていますので、パラリーガルとしても弁護士が回答するまでのスケジュールから逆算した上で、サポートができるよう心がけています。弁護士も多忙なため事案の整理が効率的にできるよう、関係資料を整理したうえで、「この案件ではこう対応しておいたほうがよいですか」などの声がけをすることも意識しています。また、当事務所が取り扱う企業法務に関わる法令は、大小問わず毎年のように改正がなされますので、自ら学ぶ姿勢を持つとともに、所内に情報発信できるよう意識しています。

吉原

会社法や金商法関係の改正情報は、パラリーガルの方から、いち早く提供されますので、非常に助かっています。それでは、秘書の方の目線ではどうでしょうか。

ルーティンでは対応できないような複雑な案件も稀にありますが、そういう場合でも、弁護士の先生方の指示をよく理解して、できるだけ正確かつ迅速なサポートができるよう心がけています。

吉原

先ほど秘書グループ制度の話題がでましたが、秘書グループ制度の良い点はどのようなところでしょうか。


秘書は案件の内容や時期によって業務負荷に波があるため、業務が立て込んでいる状況の仲間がいればチーム全体でフォローしようという意識をみんなが持っていると思います。従前から主担当や副担当として複数名の弁護士を担当していましたので、いままでもそのような意識をもって仕事をしていたと思いますが、秘書グループ制度の導入により、その意識がより強くなったと感じています。また、困ったことがあればすぐに相談できる温かい環境の中で秘書全体がスキルアップできるのが良い点だと思います。

吉原

弁護士とパラリーガルと秘書との関係性という点で、印象に残っているエピソードはありますか。

中村

当事務所に入所して10年目になりますが、私がこれまでの当事務所の仕事をする上で目標というか信念に繋がった入所当初のエピソードが2つあります。一つは、採用面接の際、面談に対応した弁護士がエレベーターホールまで見送りに来てくださった後、姿勢を正し、扉が閉まる最後の最後の瞬間まで深く頭を下げ続けてくださったことです。前職含め、いままでいくつか面談や取引先への訪問をしてきましたが、そこまで丁重に礼を尽くして下さったことに驚いて感動を覚えました。この所作は、事務所に入ってから、「お客様に同様に礼を尽くしあの時の感動を感じて頂きたい」という強い信念として自分の中に活き続け、10年間変わらず真似をさせて頂いています。外国の方には丁寧すぎたようで「もっとフランクでいいよ」と言われたこともありましたが(笑)。また、2つ目は、これも事務所に入りたての頃、たまたまお隣の席だった秘書の方が、担当の弁護士に「承知致しました」とお答えになっていたことです。私はそれまで「承知致しました」と口にする同僚をこれまで勤めた事務所や企業含めて全く目にしたことがなかったので、素直に感動し、スタッフの先輩として尊敬の念を覚えました。それ以来この10年間、先生方や同僚には丁重に接しようと変わらず心がけています。

前田

ある第三者委員会の調査の際に、調査報告書の提出期限ぎりぎりまで内容を精査する必要があったため、数百ページにも亘る調査報告書を、極めて短期間でチェックしなければならないことがありました。その際も、パラリーガルの方や何名もの秘書さんが手分けをして、チェックをしてくださり、本当にあっという間にマスキングや校正作業、関係機関に提出する資料の作成が完了しました。無事、調査報告書の提出をすることができましたが、我々の仕事はパラリーガルの方や秘書の方がいないと成り立たないことを実感するとともに、チームとして仕事をする重要性を感じることができました。

吉原

中村さん、Mさんにお聞きしますが、実際に弁護士とともに働いてみて、入所前後でギャップはありましたか。

中村

これまでの知見や経験を踏まえてもそうですが、一般的に日本の大多数の法律事務所では新卒の弁護士を募集していないところも多く、また、弁護士の中途採用も毎年あるような事務所は多くないため、スタッフが担当する弁護士が変わることもあまりないまま時が過ぎます。それに比べ、企業法務である当事務所は、新卒採用の弁護士の先生も多いので、上司である弁護士よりスタッフが歳上といったケースもまま存在し、上記における弁護士との関係性には違いがあり、特に若手の先生方に対しては、担当するクライアントや先生方が望むものを、先回りして提供できるように、自らの仕事により事務所の提供するリーガルサービスに付加価値がつけられるように意識を持つようになりました。

吉原

ありがとうございます。Mさんはいかがでしょうか。


法律事務所というとやはり固いイメージがありましたが、実際に働いて先生方とコミュニケーションをとるようになると日常的な会話の中で人間らしい温かさを感じる場面が多々あります。先生方が秘書やスタッフに対して常に丁寧に接してくださることも意外でした。先生方の個性はさまざまなので秘書には柔軟性が求められますが、どの先生方も秘書が考えているよりも秘書を頼りにしてくださっているのだなと感じています。

吉原

弁護士と共に働いていて、どんな所にやりがいなどを感じますか?

新人の頃は業務一つ一つに四苦八苦しましたが、業務を通して学べることが多く、指示に応えるだけでなく秘書の視点から先生方に+αでご提案できることがあると嬉しいですし、やりがいも感じます。

吉原

弁護士にお聞きしたいのですが、共に働くパラリーガル、秘書の方に期待していることはどのようなことでしょうか。

青木

当事務所は、「依頼者との信頼関係に基づき、依頼者の課題を把握し、解決することを通じて、依頼者の長期的かつ健全な発展に、事務所一丸となって貢献する」ということを理念に掲げています。この理念を真に実現するためには、スタッフの日々のサポートがあって初めて成り立つもので、弁護士だけで実現できるものではありません。スタッフの皆さんが正確かつ迅速に弁護士の業務を弁護士が行うべき業務の一歩先を見越しながら準備していただくことも大事ですが、このような理念に共感いただきチームワークを発揮して仕事をしていただくことも期待していますし、そういうマインドを持った方に新たな仲間になっていただきたいと願っています。