CROSS TALK
座談会
私たちのチーム
参加者
上村 聡
パラリーガル2023年入所
M
秘書2010年入所
吉原
皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。この座談会では、パラリーガルの上村さん、秘書のMさんにも参加いただき、当事務所において、弁護士とスタッフがどのような関わり合いをもって働いているかということをテーマにお話を伺おうと思います。まず、弁護士側の目線でお聞きしてみたいのですが、弁護士にとってパラリーガルとはどのような存在でしょうか。
青木
上村さんを含むパラリーガルの方にお願いする業務としては、書類作成、文献のリサーチ、資料収集・分析などがあり、その業務範囲は多岐に亘ります。当事務所は、上場企業を始めとした、数多くの企業の法律顧問としてアドバイスを提供しているという点に特徴があり、そのためパラリーガルの方にも必然的に幅広い業務分野に関与いただくことになりますが、高いレベルで、弁護士業務のサポートをいただいています。当事務所の弁護士にとって、業務を遂行するにあたって欠かせない存在となっています。
吉原
そうですね。商業登記の手続などについては弁護士よりも精通していますし、何より法律家としての目線をもって弁護士業務のサポートをしていただけるので、非常に助かっていますね。それでは秘書の方についてはいかがでしょうか。
前田
秘書の方には、スケジュール管理や電話対応等のいわゆる秘書業務に加えて、準備書面等の作成補助・提出などの法律事務についてもお願いをしており、日々弁護士を支えていただいています。秘書の方には数名の弁護士を主担当としてご担当いただいていますが、近年、秘書グループ制度を導入していて、本日ご参加いただいているMさんなどがそうですが、グループリーダーの秘書さんを中心に、グループ単位で弁護士をサポートする環境となっており、例えば主担当の秘書さんが休暇を取得していたとしても、変わらず弁護士をサポートできる体制がとられています。細やかな調整や管理を行っていただく秘書さんがいないと、仕事が円滑に回っていきません。我々、弁護士にとって、秘書さんはクライアントに正確かつ迅速にリーガルサービスを提供するにあたって欠かせない存在となっています。
吉原
ありがとうございます。それではパラリーガルや秘書の方から見て、弁護士とはどのような存在でしょうか。まずはパラリーガルの上村さん、いかがでしょうか。上村さんは司法書士ですが、同じ専門職としてどうお感じになるでしょうか。
上村
弁護士の先生はとても忙しいイメージがありますが、岩田合同の先生方は、ちゃんと私たちパラリーガルの話を聞いてくれると思います。登記の専門的な部分では、私の方から提案させていただくこともありますし、逆に、法的な観点から自分が気付かなかった点等についてアドバイスをいただくこともあります。お互いの専門性を尊重しながら、自然とチームとして動けている感覚があります。弁護士とパラリーガルとで、役割は違いますが、専門職同士として尊重されていると感じています。だからこそ、私も、やりがいを持って案件に取り組むことができますし、より良い仕事をしようと思います。
吉原
ありがとうございます。それではMさん、秘書の方から見た弁護士はどのような存在でしょうか。
M
日々の弁護士の業務をサポートすることが秘書業務の中心になりますが、業務のサポートを通じて、弁護士は、常にクライアントのことを最優先に考えており、クライアントにとって何が最適なアドバイスかということを意識していることを日々感じています。仕事に全力を傾け、クライアントのために、尽力する姿勢は尊敬しています。
吉原
日々の業務を行うにあたり、弁護士、スタッフがお互いに心がけていることはどのようなことでしょうか。まずは、弁護士はどうでしょうか。
青木
パラリーガルや秘書の方は弁護士業務をサポートしていただける役割ではありますが、それぞれが同じ案件を担当するチームとして、リスペクトの心をもって接するようにしています。言葉遣いを丁寧にするのはもちろんですが、指示が抽象的にならないようにするなど仕事がしやすい環境になるよう、あとは、プライベートのことでもいいのですが、何気ない会話をすることでもコミュニケーションが円滑になるように思っていますので、そういう点も大事にしています。
上村
弁護士の先生方とは、日々密にコミュニケーションを取ることを心がけています。弁護士の先生方は、複数の案件を同時に進めながら、クライアントから迅速かつ的確な対応を求められる場面が多くあります。そうした状況を踏まえて、私たちパラリーガルも、弁護士が回答を出すタイミングを逆算しながら、必要な情報や書類を事前に準備できるよう意識して動いています。また、当事務所が取り扱う企業法務に関わる法令は毎年のように改正されますので、私も会社法や商業登記規則の改正点など実務上有益な情報をタイムリーに所内に情報発信できるように意識しています。そうした情報がすぐに実務に活かされる環境なので、知識が生きる場面が多くて嬉しいです。
吉原
会社法や金商法等の改正情報は、パラリーガルの方から、いち早く提供されますので、非常に助かっています。それでは、秘書の方の目線ではどうでしょうか。
M
ルーティンでは対応できないような複雑な案件も稀にありますが、そういう場合でも、弁護士の先生方の指示をよく理解して、できるだけ正確かつ迅速なサポートができるよう心がけています。
吉原
先ほど秘書グループ制度の話題がでましたが、秘書グループ制度の良い点はどのようなところでしょうか。
M
秘書は案件の内容や時期によって業務負荷に波があるため、業務が立て込んでいる状況の仲間がいればチーム全体でフォローしようという意識をみんなが持っていると思います。従前から主担当や副担当として複数名の弁護士を担当していましたので、いままでもそのような意識をもって仕事をしていたと思いますが、秘書グループ制度の導入により、その意識がより強くなったと感じています。また、困ったことがあればすぐに相談できる温かい環境の中で秘書全体がスキルアップできるのが良い点だと思います。
吉原
弁護士とパラリーガルと秘書との関係性という点で、印象に残っているエピソードはありますか。
上村
入所したばかりの頃、ある先生が「上村さんがいてくれて本当に助かってるよ」と声をかけてくださったことがあって、それが今でも仕事の励みになっています。また、ある会社の組織再編の案件で、登記のタイミングがかなりタイトだったことがあったのですが、私の方で登記に関するスケジュール上の懸念点を伝えたら、すぐに先生が「じゃあ、スキームを少し調整しようか」と言って動いてくれたことがあり、その柔軟さとスピード感には、正直驚きました。このようにお互いの専門性を尊重するという関係性の下で、司法書士としての知識を活かしつつ、パラリーガルとして弁護士業務を支えるという立場に誇りを持っています。
秘書の方との関係については、弁護士の先生方と案件を進めていく中で、秘書の皆さんにもサポートいただくことは多々あり、細かな点までサポートいただいていると感じています。
前田
ある第三者委員会の調査の際に、調査報告書の提出期限ぎりぎりまで内容を精査する必要があったため、数百ページにも亘る調査報告書を、極めて短期間でチェックしなければならないことがありました。その際も、パラリーガルの方や何名もの秘書さんが手分けをして、チェックをしてくださり、本当にあっという間にマスキングや校正作業、関係機関に提出する資料の作成が完了しました。無事、調査報告書の提出をすることができましたが、我々の仕事はパラリーガルの方や秘書の方がいないと成り立たないことを実感するとともに、チームとして仕事をする重要性を感じることができました。
吉原
上村さん、Mさんにお聞きしますが、実際に弁護士とともに働いてみて、入所前後でギャップはありましたか。
上村
入所前は、正直少し緊張していました。歴史のある法律事務所ですし、堅い雰囲気で、上下関係も厳しいところがあるのではないかと勝手に思っていましたが、実際に入所してみたら、先生方もスタッフの皆さんもフラットで、話しかけやすい雰囲気でした。前職では、司法書士として一人で完結する業務が比較的多かったのですが、当事務所では、弁護士と一緒にチームとして動くことで、より深く案件に関わることができており、そうした業務の中で、相談しやすい環境だと実感していますが、これは、ギャップというより驚きではありました。
吉原
ありがとうございます。Mさんはいかがでしょうか。
M
法律事務所というとやはり堅いイメージがありましたが、実際に働いて先生方とコミュニケーションをとるようになると日常的な会話の中で人間らしい温かさを感じる場面が多々あります。先生方が秘書やスタッフに対して常に丁寧に接してくださることも意外でした。先生方の個性はさまざまなので秘書には柔軟性が求められますが、どの先生方も秘書が考えているよりも秘書を頼りにしてくださっているのだなと感じています。
吉原
弁護士と共に働いていて、どんな所にやりがいなどを感じますか?
M
新人の頃は業務一つ一つに四苦八苦しましたが、業務を通して学べることが多く、指示に応えるだけでなく秘書の視点から先生方に+αでご提案できることがあると嬉しいですし、やりがいも感じます。
吉原
弁護士にお聞きしたいのですが、共に働くパラリーガル、秘書の方に期待していることはどのようなことでしょうか。
青木
当事務所は、「依頼者との信頼関係に基づき、依頼者の課題を把握し、解決することを通じて、依頼者の長期的かつ健全な発展に、事務所一丸となって貢献する」ということを理念に掲げています。この理念を真に実現するためには、スタッフの日々のサポートがあって初めて成り立つもので、弁護士だけで実現できるものではありません。スタッフの皆さんが正確かつ迅速に弁護士の業務を弁護士が行うべき業務の一歩先を見越しながら準備していただくことも大事ですが、このような理念に共感いただきチームワークを発揮して仕事をしていただくことも期待していますし、そういうマインドを持った方に新たな仲間になっていただきたいと願っています。
